
対象:はなのうら学園 スタッフ約40名
テーマ:訪問診療における口腔ケアの実際
今回、日頃から訪問診療に携わっておられる、はなのうら学園のスタッフ約40名を対象に、口腔ケアの実際についてセミナーを開催しました。
セミナーでは、まず誤嚥性肺炎が起こる仕組みについて説明し、口腔内の細菌が唾液や食物とともに気道へ入り込むことで、肺炎のリスクにつながることを学んでいただきました。特に高齢者や要介護者では、嚥下機能や咳反射が低下しているため、日常的な口腔ケアが感染予防の面でも非常に重要であることを共有しました。
また、歯ブラシだけでは清掃が難しい歯間部のケアや、細菌が付着しやすい舌清掃の意義についても解説しました。歯間部や舌苔には多くの細菌が存在するため、歯みがきに加えてフロスや舌清掃を取り入れることで、より効果的な口腔衛生管理につながることを説明しました。
さらに、歯周病菌が糖尿病、心血管疾患、誤嚥性肺炎などの全身疾患と関係していることにも触れ、口腔ケアは単なる口の中の清掃ではなく、全身の健康を守るための大切なケアであることをお伝えしました。
予防歯科先進国である欧米と日本の違いについても紹介しました。アメリカでは「Floss or Die」という言葉があるほど、フロスによる歯間清掃の重要性が広く認識されています。一方、日本ではまだ歯ブラシ中心のケアが一般的であり、歯間清掃や舌清掃の習慣化には課題があります。
実践面では、「1日2回、2分間みがく」という基本的な歯みがき習慣についても確認し、利用者様の状態に応じた無理のない口腔ケアの方法について説明しました。
セミナー後には多くの質問が寄せられ、参加された皆様の口腔ケアへの関心の高さを感じました。今回の学びを、日々の訪問診療や利用者様へのケアに活かしていただき、誤嚥性肺炎の予防や全身の健康維持につながることを期待しています。